信号・信号機の疑問

ここでは一般の方が信号や信号機について疑問に思うであろういくつかの質問を取り上げています。ここに無い質問でも他の信号趣味サイト(リンク集参照)で紹介されている場合がありますのでそちらを参照してください。

ここでの解答は私の知識の範囲内での解答ですので、誤りが含まれている場合があります。これにより交通事故や交通違反が発生しても一切責任はとりません。正確な解答が必要な場合は、ここの解答を参考にせず、最寄の警察署などに問い合わせてください。(このサイトは警察機関とは一切関係はありません。)

Q1

T形交差点でも4方向に対して車両用信号灯器が設置されている場合がありますが、道路の無いほうを向いている車両用信号灯器は無駄ではないですか?

A1

簡単に言いますと、右折軽車両(自転車など)のために必要です。

図のような交差点で右からやって来た軽車両(自転車など)が右折する場合、まず前方の青信号に従って右折する位置まで進みます。
右折する方向の信号が青に変わったら、進むべき方向に進めます。この時に道路のない方を向いている車両用灯器が必要なわけです。2段階の右折方法により原付が右折しなければならない場合は、原付についても同様です。

このほか、歩行者用灯器がない場合は歩行者が従うためにも必要です。また、歩行者用灯器があっても夜間に点滅制御になる交差点の場合、歩灯が消灯してしまうので、この車両用灯器が必要です。

Q2

時々、赤信号で全方向の矢印信号(←↑→)が出る信号がありますが、これは通常の青信号とはどう違うのですか?

A2

多くの場合は、時差式信号で時差が作動しているのを分かりやすくするためです。(もちろんそれ以外の場合もありますが、ここでは時差式信号で使用されている場合について説明します。)

図のように一方(N)の右折が禁止されている場合か、あるいは一方の右折車が極端に少ない場合に、その対向側(S)の車両に対して時差式信号として全方向の矢印信号(←↑→)が出ます。(車線数は関係ありません。)

全方向の矢印信号(←↑→)が出るのは、時差が作動している時です。時差作動側の車両に、対向側が赤信号になっているのを知らせ、円滑に右折できるようにするものです。

全方向の矢印信号(←↑→)が出る時差式信号には2種類あり、
青・・・黄(←↑ )・・・赤(←↑→)
の順に変わるAタイプと、
青・・・黄(←↑→)・・・赤(←↑→)
の順に変わるBタイプがあります。

Aタイプは、時差作動側、非作動側とも本信号の変化は同じです。黄信号の段階では右折矢印が出ないため、止まろうとする右折車に(右折矢印が出ることを予測して)進もうとする右折車が追突する恐れがあります。滋賀県では右折専用車線がある場合に使用されます。

Bタイプは、非作動側が赤信号になってしばらくしてから時差作動側が黄信号+全方向矢印(←↑→)になります。滋賀県では右折専用車線を設けられない場合に使用されます。

いずれの場合も、時差が作動しているのを分かりやすくしているだけであり、「他の交通に関係なく右左折できる」という意味ではありませんので注意してください。(実際、そのように勘違いしている人がいらっしゃるようです。) 対向直進車や横断歩行者が残存している場合があり、時差作動時に右左折する場合でもそれらの進行を妨げてはいけません。

Q3

赤の×印の信号の意味は何ですか?

A3

赤の×印の信号の意味は法令では規定されていません。場合によってさまざまです。道路の状況により判断しましょう。

私が今まで見たなかには次のようなものがありました。
・路面電車用の停止の信号(左の画像)
・中央線変移道路で通行できない車線を示す車線表示灯
・交互通行道路の停止の信号

Q4

高架道路などの側道(副道)で上下線が分離している交差点での正しい右折方法は?

A4

交差点によって異なります。実際にその交差点を見るまで分かりません。特にこのような交差点では、円滑に交通を流すために特殊な信号サイクルが採られていることがよくあります。十分注意して通行しましょう。代表的な3パターンを以下に示しておきます。

A図のような道路標示があり、それぞれの交差点が独立していると考えられる場合は、青信号で右折した後は次の交差点の信号に従います。
A図以外の場合はそれぞれ別々の交差点だと考えられます。B図のように、対向側も青信号になっている場合は対向直進車などに注意しなければなりません。
C図のように、対向側が赤信号になっている場合もあります。このような場合は上下線で交互に通行させていることが多いです。対向車が停止していても歩行者が横断している場合がありますので注意しなければなりません。

上でも述べたように、このような交差点では、円滑に交通を流すためには特殊な信号サイクルが採られていることがよくあります。ここに紹介した以外にもさまざまな信号サイクルの交差点があります。十分注意して通行しましょう。なお、このような交差点では、右折車用の指導線が引かれていることがよくあります。それに従って通行しましょう。「指導線」とは、交差点内での車両の進行ルートを分かりやすくするために引かれた波線のことです。

Q5

雪国でも直径450mmレンズの灯器が縦型設置されないのはなぜですか?

A5

ご存知のように積雪の多い地域では積雪対策として、車両用灯器が縦型設置されています。しかし直径450mmレンズの灯器だけは滅多に縦型設置されません。理由は縦型設置すると赤灯の位置が高くなりすぎて、赤灯が見えにくくなるからです。

車両用灯器は地上から5m以上離して設置するよう法令で決まっています(県によっては5.5m以上など独自の基準を設けている場合があります)。この高さ基準を充たして450mmレンズの灯器を縦型設置すると、300mmレンズの灯器に比べて赤灯の位置がかなり高くなって見えにくくなってしまいます。

車道上でなければ、やむを得ず基準よりも低い位置に設置することがあるようです。ただしこれでは通常よりも青灯の位置が低くなってしまい、前方に大型車が止まっている場合などに青灯が見えにくくなってしまいます。

最近、福井県では450mmレンズの灯器のフードに融雪ヒーターを取り付けることがあります。これなら横型設置でも積雪の心配はありません。

ここでの解答は私の知識の範囲内での解答ですので、誤りが含まれている場合があります。これにより交通事故や交通違反が発生しても一切責任はとりません。正確な解答が必要な場合は、ここの解答を参考にせず、最寄の警察署などに問い合わせてください。(このサイトは警察機関とは一切関係はありません。)