「都電の街を行く」
教習所で、信号機の灯火の意味について、最初の段階で習うものです。その中で「赤の灯火に黄の矢印」というものがあります。それは、「路面電車が黄色矢印の方向のみ進行できる(自動車などの車両は停止)」というものです。
しかし、実物はなかなか栃木にはないもの。周りの茨城・群馬・福島でも無いですね。一番近くにある路面電車のある道は…と調べると、東京都内にありました。都電荒川線の北区堀船
明治通り〜荒川区町屋までの約2〜3キロの区間です。黄色矢印を撮ってきましたので、ぜひご覧下さい。
明治通りから都電沿いを東へ走っていきます。最初入った感じは、下町らしい線路沿いの風景が広がっていますが…。 |
何と突然、道路上に電車の線路が横切っていました。通常の電車が横切るところだと踏切りの遮断機がありますが、ここにあったのは注意を促す電光板だけでした。それでも、電車が横切るときは車は停止ていましたが。
線路に、車両用の矢印灯器を使った電車用の信号がありました。 こちらは、左が黄←,右上が黄↑,下が赤×です。上の二つの矢印は車庫に行くか直進かを指示するものでしょう。 |
手前側には、赤の「曲」,赤の「止」の信号が。西行きの電車が車庫に入るとき、東向きの車両を止めるものかもしれません。詳しい動作についておわかりの方、ぜひ教えて下さい。 | ||
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小台駅から宮ノ前駅の少し先まで1`弱の区間は、都電の線路(軌道)と道路が一緒になります。上の写真は小台駅を撮ったものですが、車が入らないように線路の真中に進入禁止のポールがありました。といっても線路は車が入れる位の間は開いていますが、どう考えても線路に入る車は絶対ないでしょう。
↑軌道内通行可の標識。これがあれば電車のレールの上を車で走れます。 | ↑宮ノ前駅で乗り降りする乗客。都電の後で車が待っているのを見ると、バス停の風景に通ずるものがあると思います。、 | ↑これが道路上にある線路、いや軌道。 | ↑都電の真後ろについたので、運転席から撮ってみました。 |
宮の前駅を少し先にいくと、都電は道路の真ん中の縁石で仕切られた所を走っています。電車専用の信号はこのあたりに無く、車両用の信号に合わせて動いていました。
熊野前駅・熊野前交差点
この交差点は立体交差の5差路になっており、結構交通量もあります。そこで、矢印制御のセパレート交差点になっています。都電も交差点を横切るので、青にすると危険なので、セパレート現示になっているのでしょう。
通常のセパレートサイクル用の矢印灯器に都電用の黄矢印がつけられています。都電用であることを分かりやすくするためか、黄矢印を少しずらして取り付けられていました。 | ↑黄矢印拡大。 矢印のベースはセパレートボディ灯器ですが、足立区の4灯灯器(津々浦々・灯器をご覧下さい)と違い、厚めの台形カバーがついていました。 |
↑矢印灯器のプレート A34A(矢印30cmランプが4灯)の型式です。小糸工業の平成7年11月製。 ※この灯器はぼたん氏主宰「交通信号器がすべてわかるページでも取り上げられています。 |
熊野前駅から電車と道路は再び完全に区切られ、一方通行の側道を走るのですが、小道が交差している所だと普通の踏切でした。尾久にある路面電車用の信号は、ある程度交通量のある通りにありました。
町屋駅。ここまで都電を挟んで道路が走っています。ここからは側道も途切れ、下町の住宅街を縫うように都電は三ノ輪へと走っていきます。
町屋の都電用の灯器は筒型庇で、矢印だけ普通の庇でした。さらに、そばに駅がある関係か、荒川遊園のものに比べて黄矢印の時間が長めでした。
ちなみに町屋側から反対側の道路(側道と言わせていただきます)に入るには、左折でしか入れないため、Uターンして入る羽目になりました。
※こちらの都電用の灯器のアップが、ぼたん氏主宰「交通信号器がすべてわかるページ」・みしざわ氏主宰「Mishizawaのホームページ:信号機博物館」で取り上げられています。
まとめ。
都電荒川線の電車は普通の路線バスサイズの車両が1両で、数分置きに走っています。今回乗ったわけではないですが、ぶらっと乗れそうな雰囲気でした。料金も比較的安そうです。
これは後で気がついたのですが、さらに赤羽の方に、車道と一緒の都電の区間があることがわかりました。第二弾は是非そちらを取り上げたいと思います。珍しい灯器があるか、期待しています。
完