Y.M.緑の風

ファンがつけた、信号機の“あだ名”のような専門用語。良く聞かれるものについて、当ページでの使い方と合わせて紹介します。 なお「信号機」とは特別な注釈なき場合、すべて道路の交通信号機を指します。 「灯器」とは、信号機のうち信号現示する部分を指し、強調する場合は「信号灯器」を用います。「筐体(≒灯箱)」は、灯器のうち特に形状などを指す場合に用います。

(う)宇宙人/うちゅうじん
京三製作所製の初代丸型灯器のこと。
丸みを帯びた筐体と、縁ギリギリまであるレンズが宇宙人を連想することから。先端が尖り、上を向いた庇は特徴的である。
(お)大涙/おおなみだ
3基の矢印灯器が別個に設置されている様。
「大ちゃんの涙」と呼ぶファンもいる。1基ずつ設置された矢印灯が涙のように見えることから。
(お)オッサン/おっさん
歩行者用信号機の人形(ひとがた)のこと。
赤レンズの人形は、電球式が直立で、LED式が自然体で立つ絵柄。なお、試作モデルのLED灯器では例外がある。
(お)オニギリ/おにぎり
小糸工業製の薄型以外の歩行者用灯器のこと。
三角柱のような筐体が、オニギリ(三角形)を連想することから。昭和40年代から平成20年代まで設置された。
(お)オマル/おまる
京三製作所製のアルミ一体型灯器のこと。
オマル
アルミ一体型のうち、平成14年から設置された後期モデルの灯器を指す。背面の形状が、子供用トイレのオマルに見えることから。
(お)親子/おやこ
灯器が二段重ねになっている様。
上段を親、下段を子と見なす。右折分離制御の灯器で良く見られるが、踏切近接交差点などでは、赤・黄・青の灯器が二段重ねになっている場合もある。
(か)開脚/かいきゃく
アームと灯器の間隔が広く空いている様。
角度調節金具が突っ張っている状態。交差点手前がカーブしていたり、街路樹などに灯器が干渉したりする場合に見られる。
(か)カマボコ/かまぼこ
京三製作所製のアルミ一体型灯器のこと。
アルミ一体型のうち、平成10年から設置された前期モデルの灯器を指す。背面の突起が、カマボコに見えることから。
(く)クチバシ/くちばし
京三製作所製の丸型灯器の庇の一種。
先端が尖り、上を向いた庇が鳥の嘴(クチバシ)を連想することから。先代の宇宙人の庇に似ているが、より角ばった形状になった。庇そのものを指す場合と、灯器を総称して呼ぶ場合がある。
(く)クリクリ信ちゃん/くりくりしんちゃん
光源にLED電球が用いられた灯器のこと。
電球式灯器の有色レンズを介して点灯するLED電球の光のムラが、クリクリした目に見えることから。
(し)自立/じりつ
ポールの上に、直に設置されている灯器のこと。
電柱などからアームを伸ばすのではなく、自ら立っていることから。無電柱化などで、電線をポール内に収納しているエリアで見られる。一種のデザイン灯器。
(せ)ゼブラ/ぜぶら
信号灯器の周囲に設置される縞模様の板のこと。
正式名称は背面板。模様がシマウマを連想することから。信号灯器を目立たせる目的で設置される。通常は、深緑と白の縞。
(た)たんこぶ/たんこぶ
3位灯の上に1位灯が設置されている様。
矢印灯などの1位灯は通常、3位灯の下に設置されるが、高さ制限などの理由で上に設置される場合がある。頭にできたコブのように見えることから。
(ち)提灯アーム/ちょうちんあーむ
歩行者用灯器のアームのうち、吊り下げタイプ。
提灯
見た目が提灯に似ていることから。自治体によっては、薄型以降の灯器で主流の設置方法。往年のデザイン灯器でも見られる。
(て)デザイン○○/でざいん○○
お洒落に細工された信号機のこと。
周囲の景観に合わせて特別仕様になっている信号機を指す。○○には、「灯器」「塗装」「アーム」などの言葉が入る。よく見かけるのは、茶塗装の信号機だろう。
(て)出目/でめ
信号電材製のアルミ分割型灯器の一種。
レンズ部が出っ張っているため。なお、同社製で出っ張っていないタイプは「薄目(うすめ)」と呼ぶ。
(と)土管庇/どかんひさし
誤認防止庇の一種。
レンズ周りをほとんど覆う形状が、土管を連想することから。スリットの幅は特に関係ない。なお、完全に覆うタイプは「筒」と呼ぶ。
(へ)弁当箱/べんとうばこ
京三製作所製・日本信号製の初代の歩行者用灯器。
凹凸が少なく直方体に近い筐体が、弁当箱を連想することから。昭和40年頃から末期まで設置された。
(ほ)包丁/ほうちょう
小糸工業製の初代丸型灯器の一種。
灯器にアームが串刺しされている形状が、包丁を連想することから。灯器単体が設置されている(アームなし)場合、設置された世代を指して「包丁型」と呼ぶ。
(ほ)包丁未遂/ほうちょうみすい
小糸工業製の初代丸型灯器の一種。
「包丁型」の次に登場したモデル。アームは1本と2本のタイプがある。アームが串刺しになっていないため「未遂」と呼んで区別する。
(み)耳/みみ
灯器左右のスペーサーのこと。
灯器の両側にあり、耳のように見えることから。U形以降の灯器はサイズ(幅)が指定可能になり、警視庁仕様は通常と比較して30mm小さい。
(や)矢形矢印/やがたやじるし
“矢”の形をした矢印のこと。
現行法で定められた矢印の形は「<―」で、「<」と「―」は離れている。一方、矢形矢印は繋がっており、形そのものが違う。非常に古い世代の矢印現示。
(り)リーゼント庇/りーぜんとひさし
京三製作所製の歩行者用灯器の庇の一種。
三角形の長い庇が、髪型のリーゼントを連想することから。ヤンキーのヘアースタイルということで「ヤンキー兄ちゃん」「つっぱりリーゼントひさし君」と呼ぶファンもいる。大阪府と奈良県限定。
(ろ)ろくろ首/ろくろくび
前側にアームを伸ばし、灯器が設置されている様。
前に伸びたアームが、ろくろ首を連想することから。灯器が設置された電柱から停止線まで距離がある場合や、街路樹などに灯器が干渉する場合などに見られる。