福井県の「歩車分離式」信号

JR福井駅前広場入口の交差点
撮影 福井県福井市 掲載 2005/3/20

福井駅から官庁街へ向かう横断歩道で歩行者が多く、昔から右左折車分離方式の歩車分離式信号になっています。右折の矢印信号が出た時に、路線バスは転回します。

最近は西側の道路で地下駐車場の工事が行われており、時々工事箇所が変移するため、車道(通行帯)も何度か変移していますが、信号サイクルは基本的に同じです。以下のサイクル表及び地図は2004年7月下旬のものです。駅前広場入口の交差点と出口の交差点の信号は連動していますが、ここでは入口の交差点のみについて書いています。

車両W歩行者ew車両N車両S
1●↑→□ピヨ(分離)19
2●↑→4
3●↑→3
43
5●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)2
6●←23
72
8●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)3
922
103
11●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)4
88

福井駅前ショッピングプラザ前の交差点
撮影 福井県福井市 掲載 2005/3/20

昔はここが県内唯一のスクランブル方式の歩車分離式信号でした。音響信号は「とおりゃんせ」が流れます。

「東下」交差点
撮影 福井県福井市 掲載 2004/4/10

他府県でよく見かける右折車分離信号です。この信号サイクルでは歩行者と車両の通行が分離されていないので、私は「歩車分離式」信号とは呼びたくないんですが、標示板には堂々と書いてありますのでここに載せておきます。このような信号サイクルの場合、左折車が歩行者に対しての注意を怠ってしまうことがあるようで、府県によってはわざわざ「左折車は歩行者に注意」というLED標示板を設置しているところもあります。

この交差点の場合、路面電車が直進しますので、普通の信号サイクルでは右折待ち車両が路面電車の通行を妨げてしまうため、その点ではよい信号サイクルと言えるかもしれません。

車両NS、電車歩行者ns車両EW歩行者ew
1●←↑□カッコー(分離?)39
2●←↑16
3●←↑5
42
5●→9
63
7●(全赤)■(全赤)●(全赤)■(全赤)2
8□ピヨピヨ26
98
105
113
12●→7
133
14●(全赤)■(全赤)●(全赤)■(全赤)2
130
サイクル表の「歩行者」には自転車を含みます。

「志比口」交差点
撮影 福井県福井市 掲載 2004/4/10

Y形交差点です。この交差点は「歩車分離式」信号運用当初は、9時から翌7時までのみが「押ボタン式」でした。つまり7時から9時までは押ボタンに関係なく全歩行者用信号が青になりますが、9時から翌7時まで押ボタンを押さないとそのサイクルが跳ばされました。

現在は時刻に関係なく「押ボタン式」になっています。標示板は当初のものを流用しているので、シールを貼って修正してあります。

西武生駅南の交差点
撮影 福井県越前市(旧武生市) 掲載 2004/4/10

県内では福井駅前南の交差点に次いで2例目のスクランブル方式の歩車分離信号です。なぜか交差点の一角には歩行者感知器が1基だけ設置されています。

「三の丸」交差点

撮影 福井県福井市 掲載 2002/7/31

福井県では特殊な形状の交差点でのみ歩車分離信号の実験が行われています。しかもなぜかその交差点の1つの横断歩道だけが歩車分離になっています。果たして、こんな変な交差点で歩車分離信号の実験をして、他の通常の交差点で応用できるのでしょうか? なお「歩車分離信号」等の標示板は設置されていません。

この交差点、かなり複雑な形状で、さらにすぐそばには踏切まであります。そのためかSの車両に対する信号はありません(常時左折のみ可)。Sの左折車とNの右折車が交差点内で合流する不思議な交差点です。というか、この交差点、車灯が2基しかありません。また、横断歩道も2ヶ所しか無く、これでは不十分だと思います。実際、私は(横断歩道の無い)Sの前方を横断しましたが危険を感じました。

なおこの内容は2002年7月に調査したものであり、現在の状況とは異なります。

車両W歩行者ew車両N歩行者ns車両S
1●↑→□(分離)信号なし
2●↑→常時
3○(同時)■(同時)左折のみ可
4-
5△←-
6●←-
7●←-
8●←-
9●←-
10-
11●(全赤)■(全赤)●(全赤)■(全赤)-

パリオ北西の交差点

撮影 福井県福井市 掲載 2002/7/20 差替追加 2002/7/31 差替追加 2002/11/16

この交差点の場合、ew1の横断歩道のみ歩車分離になっています。歩車分離になっているときは、Eの直進車しか通行できません。Wの直進車も通行できるようにすればいいのではないかと思うかもしれませんが、Wは2車線しかないため、第1車線に直進車と左折車が混在し、第2車線に直進車と右折車が混在し、停止位置の先頭に左折車と右折車が停止してしまうと直進車が通行できなくなり混乱してしまうため、歩車分離のときはWを赤信号にしてあるのだと思います。とはいえ、Eも2車線しかなく通行区分が決まっていないため、歩車分離の時、第2車線には直進車と右折車が混在し、停止位置の先頭に右折車が停止してしまうと、その後ろの直進車が通行できなくなり混乱してしまいます。

車両E車両W歩行者ew1歩行者ew2車両N車両S歩行者ns1歩行者ns2
1●↑□(分離)
2●↑
3○(同時)○(同時)■(同時)
4
5
6
7●→●→
8
9●(全赤)●(全赤)■(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)■(全赤)
10
11
12
13
14●(全赤)●(全赤)■(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)■(全赤)
15
16
17
18
19●(全赤)●(全赤)■(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)■(全赤)

「塚原」交差点

撮影 福井県越前市(旧武生市) 掲載 2002/7/20 差替追加 2002/11/16

こちらはなんと押ボタン式の歩車分離信号です。押ボタン箱の設置されているew1の歩行者用灯器にだけ、なぜか「歩行者専用」標示板が併設されています。押ボタン箱には通常の押ボタン式信号とは違う「おうだん用押ボタン」標示板が併設されています(通常は「歩行者用押ボタン 信号が青になってから渡りましょう」標示板)。東と南の道路がR8なので、Eの左折車とSの右折車が非常に多い交差点です。普段、歩行者は少ないですが、登下校時は小学生がよく横断します。。

なお、1枚目画像の2段重ね灯器は後に縦型に交換され、矢印灯器はLED式になっています(2〜4枚目画像)。おそらく福井県では青信号の前に矢印信号が出たり、青信号の代わりに矢印信号が出る信号が非常に少ないので、分かりやすい(見やすい)LED式に交換したのだと思います。矢印信号が出ても気付かず停止していて、後方車両にクラクションを鳴らされている車両をよく見かけますので・・・。

ew1は押ボタンを押した時に歩車分離になりますが、押さない時も歩行者用信号が青になり、歩行者は横断することができます。ただしその時、歩行者用信号が青になる前からEは左折しているため、歩行者は左折車が途切れる瞬間を見計らって横断しなければなりません。

押ボタン箱はew1の横断歩道だけにありますが、押ボタンを押した時はew2の横断歩道も歩車分離になります。歩車分離信号になっている時はew1、ew2の横断とともに、Eの直進のみ可能です。Wは第1車線に直進車と左折車が混在するため直進できず、赤信号のままです。歩行者用信号が青点滅になるのと同時にEとWは青信号になります。普段ここをよく通るEの左折車ドライバーは(通常は)青信号の前に左折矢印信号がでると分かっているため、歩車分離信号作動時でも左折車が停止線を越えて少しずつ進んできます。

押ボタンを押してから歩車分離信号が作動するまでのサイクルについて・・・
押ボタンを押すと押ボタン箱の表示窓に「おまちください」と表示され、歩車分離信号で歩行者用信号が青になる時に表示が消えます。歩行者はこれを目安にして横断しなければなりません。なぜなら押ボタンを押した後に歩行者用信号が青になっても、それが歩車分離信号だとは限らないからです。押ボタンを押した時に、すでに歩車分離信号作動に移行できない場合(表1の5〜8の時)は、歩行者は一度青信号をやり過ごし、次の青信号で横断すると歩車分離信号になっています(果たしてこのサイクルを一般の人が理解できるのでしょうか!?)。よって、もし表1の5(表2のP5)の時に押ボタンを押した場合、歩行者は歩車分離信号で横断するために最大121秒も待たなければなりません。

下のサイクル表の見方・・・
表1の1〜4で押ボタンを押したら、表2のP1〜P4へそれぞれ移行します。表1の5〜14で押ボタンを押したら、表2のP5〜P14へそれぞれ移行します。表2のH14の次は表1の1に戻ります。ただし表2のH9〜H14で押ボタンを押したら、表2のP9〜P14へそれぞれ移行します。

(表1)歩車分離信号非作動時(押ボタンを押さない時)
車両NS歩行者ns車両E車両W歩行者ew押ボ
表示窓
1-39
2-6
3-5
4-2
5●→(同時)●←(同時)-6
6●←-2
7●←-3
8□(非分離)-12
9-6
10-16
11-3
12●→●→-5
13-3
14●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)-2
110

(表2)歩車分離信号作動時(押ボタンを押した時)
車両NS歩行者ns車両E車両W歩行者ew押ボ
表示窓
1-39
2-6
3-5
4-2
P5●→(同時)●←(同時)Pおまち6
P6●←Pおまち2
P7●←Pおまち3
P8□(非分離)Pおまち12
P9Pおまち6
P10Pおまち16
P11Pおまち3
P12●→●→Pおまち5
P13Pおまち3
P14●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)Pおまち2
P1Pおまち39
P2Pおまち6
P3Pおまち5
P4Pおまち2
H5●→おまち6
H6おまち2
H7●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)おまち3
H8●↑□(分離)-12
H9○(同時)○(同時)△(同時)-6
H10-16
H11-3
H12●→●→-5
H13-3
H14●(全赤)■(全赤)●(全赤)●(全赤)■(全赤)-2
110×2=220
・「おまち」は「おまちください」の略です。
・「Pおまち」は押ボを押した時点で「おまちください」と表示されるという意味です。押してから歩車分離信号作動の手前のH7まで表示され続けます。

タイトル
画像
撮影場所

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