狭い旧国道に設置されている道路警戒標です。大正11年11月から昭和17年5月まで設置され、三角板と黒色の警戒板からなり、現在の警戒標識に相当します。「道路警戒標及道路方向標ニ關スル件」で規定されているのは「交叉」「左曲リ」「右曲リ」「學校」「踏切」「上リ」「下リ」の7種類だけですが、ここでは「屈曲多シ」となっています。記号が「上リ」「下リ」に似ているため誤認しそうです。なお、昭和17年5月施行の「道路標識令」では「屈曲多シ」が規定され、「上リ」「下リ」は無くなりました。 新しい電柱に針金で縛り付けられていることから、最近移動させられたと思いますが、よく撤去されなかったものです。太平洋戦争中の金属供出でも撤去されず、現在まで残っていたことは奇跡としか言いようがありません。
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