道路標識等<滋賀県> ラウンドアバウト社会実験

守山市のラウンドアバウト社会実験




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撮影 滋賀県守山市 掲載 2014/2/3 画像追加 2014/4/27

守山市で、平成26年1月15日から3月20日まで関西初のラウンドアバウト社会実験が行われています。ラウンドアバウトとは、信号機のない環状の交差点で、車両が左折で環状交差点に進入し、時計回りで環路を走行して、目的の方向に左折で退出するもので、環状交差点進入車両が、環路を走行している車両の通行を妨害してはいけないものをいいます。環状交差点の導入については、様々なメリット・デメリットがありますが、ここでは省略します。

環状交差点の通行方法については、平成25年6月の改正道路交通法で規定されましたが、未施行のため、現状では、道路標識や道路標示により通行方法を規制する必要があります。また、改正法では、環状交差点全体で1つの交差点として扱いますが、現状では環路と接続道路の交差部分をそれぞれ交差点として扱うことになります。

この環状交差点では、進入部で一時停止規制と指定方向外進行禁止規制(右折禁止規制)、そして環路では時計回りの一方通行規制を行いっています。北側の接続路には横断歩道が設置されています。市が主体となっている社会実験であるためか、いずれの標識(既設の再利用品を除く)も、公安委員会のラベルが貼られていません。

私が現地を訪れたのは、平日ではない日の夕方で、交通量は多くありませんでしたが、危険な通行をする車両も見られました。もともとは、東西方向が広い道路で、南北方向が一時停止のある道路であったためか、東進進入や西進進入するドライバーには今でも「自分が優先側」という誤った意識があるようで、一時停止無視どころかほぼ減速せずに環状交差点に進入してくる車両がいます。(実際、私が環状道路の環路を通行しているときに、東進で大型ダンプがほぼ減速せずに環状交差点に進入してきて、こちらが停止しないと衝突するところでした。) 中央島の周りのクリーム色舗装の部分は、車長が長く内輪差の大きい車両の後部が内側にはみ出してしまっても通行できるように設けられた部分で、本来は通行する部分ではありませんが、減速せずに環状交差点に進入し、直進方向に進行しようとする車両は、この部分をショートカットすることで、ほぼ減速せずに環状交差点を通過していきます。

環状交差点の誤った通行としてよく問題にされるのは、環路の逆走ですが、私が見ている間にそのような車両はありませんでした。ただし、なぜか進入時に対向車線を逆走する車両を1台見かけました。
車載動画(YouTube)

なお、守山市のサイトに車両や歩行者の「ラウンドアバウトのとおり方」が紹介されていますが、何点か誤りがあります。
・「環道へ入る際は、直前で左ウィンカーを出し、環道へ入ります。(守山市サイト)」→現状では、左折で進入することとなるため、合図は「直前」ではなく「30m手前」です。
・「(歩行者の横断歩道の渡り方)車が来ているときは通りすぎるまで待つ。(守山市サイト)」→横断歩道で歩行者が横断しようとしている場合は、本来、歩行者が横断を終えるまで車両が必ず停止するはずです。もちろん横断歩行者を無視して通過する車両も少なくないので、「車が止まるか、通りすぎるまで待つ」とするのが正しいでしょう。

なお、実験期間の後半には、工事を行って中央島の半径とクリーム色のエプロン部の半径を小さなものに変更し、実験が続けられていました。