<京都府> レンズ・灯器

インナーフード仕様の信号電材タイプ低コスト灯器

撮影 京都市伏見区 掲載 2018/3/1

京都府では低コスト灯器を採用した平成29年度夏以降、従来は片かくしフードを指定していたような誤認防止の必要な灯器は、工事設計書で「片かくしフード(インナーフード付)」と指定しています。信号電材タイプの灯器を設置する場合には、インナーフード仕様の灯器を設置します。

自転車用交通信号灯器(右折軽車両用に使用)



撮影 京都市上京区 掲載 2015/5/23

道路のない方に向けて直径200oレンズ灯器の「自転車用交通信号灯器」と思われる小型の3色灯器が設置されています。主道路がカーブした変則ト形交差点であり、右折軽車両用と思われます。この交差点の信号サイクルは、まず(1)カーブした主道路を青信号とし、次に(2)従道路(一方通行逆行自転車)とこの信号を青信号にし、その後(3)歩行者専用現示(歩行者用信号がすべて青)となります。(2)の青信号の時間はわずか7秒です。
 動画(YouTube)

この交差点では、以前は「普通自転車の交差点進入禁止」規制が行われ、すべての自転車を歩道に上げたうえで、スクランブル式の歩車分離信号の運用が行われており、信号サイクル上は自転車の通行はまったく考慮されていませんでした。車道走行自転車と歩行者の通行を分離することで完全な歩車分離に近づけるため信号サイクルの変更や横断歩道の変更が行われたようです。ただし、「自転車歩道通行可」の規制は残っており、歩道走行自転車は、歩行者専用現示の状態で横断歩道を通行することになります。

この灯器は、横型の3色灯器としては珍しくアームの上部設置となっています。アーケードの屋根の上に設置されており、灯器の背面や銘板は確認できません。灯箱は、基本的に以前御池通で設置された「自転車用交通信号灯器」と同じものです、ただし、以前のものは縦型でフードのネジ止めが0時・3時・9時の位置でしたが、今回のものは1時半・4時半・7時半・10時半の位置にネジ止めがあります。片かくしフード専用でしょうか?

自転車用交通信号灯器(「自転車専用」として使用)

撮影 京都市中京区 掲載 2013/1/29

2011年12月13日に御池通の10交差点で、従道路と主道路(御池通)の通行できる時間の間に全方向の歩行者が横断できる時間帯(歩行者専用現示)を設ける歩車分離化が行われました。このときに主道路横断の自転車横断帯の撤去、歩行者用灯器の「自転車・歩行者専用」標示板の撤去が行われました。(自転車を除く一方通行の逆行側には、通常の主灯器の位置に「自転車専用」標示板を併設した車両用灯器が追加されました。)

しかし、歩行者専用現示のときに信号無視して通行する従道路の自転車が多かったようで、自転車に信号順守を徹底させるため、2012年3月28日に3交差点で従道路側に「自転車専用」信号を表示する専用筐体の灯器が試験設置されました。

自転車用灯器は、直径200oレンズ灯器と思われます。工事設計書では「(1V203L)警交仕規第1014号自転車用」と指定されていました。自転車用専用筐体の灯器の採用は、静岡県に続いて2府県目とのことです。

こちらは、自転車を除く一方通行の逆行側に設置されたものです。


撮影 京都市中京区 掲載 2013/1/29

こちらは、自転車を除く一方通行の順行側に設置されたものです。交差点奥の灯器には標示板がなく、交差点手前の灯器に「自転車専用」標示板があることから、自転車以外の車両は奥の灯器の信号に従い、自転車は手前の灯器の信号に従わなければなりません。

しかし、自転車用の灯器は停止線のすぐ近くにあり、停止線で停止した自転車からは大変見づらいです。自転車に信号を守らせたいのなら、交差点の奥にも自転車が従う信号を設置するべきです。なお、自転車以外の車両の信号と自転車用信号のサイクルは同じです。(同じだからと言ってどちらの信号に従ってもよいというわけではありません。)

近くには警察が設置した「自転車も車両信号に従ってください」という立て看板が設置されています。おそらく歩車分離化のときに設置されたものでしょうが、自転車用灯器が設置された現在では、適切とは言えない表現です。前述のとおり、自転車は交差点奥の灯器の信号ではなく、交差点手前の自転車用灯器の信号に従わなければならず、自転車に自転車が従うべき信号を順守させることを目的とするならば、「車両信号」という曖昧な表現を使うべきではありません。(横型灯器のイラストも不適当です。)