2011年2月25日から栗東IC周辺のR1及びR8の4箇所の交差点で導入されたムーブメント信号制御です。車両用灯器に併設された標示板は「対向車分離式」となっています。押ボタン式による歩車分離信号でもあるので、歩行者用灯器には「歩車分離信号」の標示板が併設されています。「御上神社前」交差点では、主道路・従道路ともムーブメント信号制御となっています。 ムーブメント信号制御とは、交差点手前の感知器で感知した渋滞状況に応じて、信号の時間や信号サイクルを変更し、渋滞を軽減するものです。この交差点では、基本は右折車分離式で、対向方向で滞留に偏りがない場合は、滞留に応じて信号の時間の変更があるだけですが、対向方向で滞留に偏りがある場合は、滞留の無い方を一旦赤信号として、滞留の多い方を全方向矢印信号により通行時間を延長し、その後双方の右折車を通行させます。また滞留の差が少ない場合には、滞留の無い方を一旦赤信号とした後、全方向矢印信号になる前のクリアランスのうちに通行時間が終了し、その後の黄色の途中に右折矢印が点灯する変則的な動きをする場合もあります。
右折車分離、歩車分離にムーブメント信号制御も加わり、信号サイクルは予測しづらいです(と言うか、右折矢印信号の出るタイミングは予測できません)。常に自分の前方の信号を注視する必要があります。私が調査している間に、思い込みやイライラによる信号無視など次のような問題が見られました。 ・直進と左折の矢印信号が出ている状態で、つられて交差点に進入し、そのまま右折する車両。 ・直進と左折の矢印信号が消灯したときに「次は右折矢印信号が出る」と思い込み、ジワジワと交差点に進入する右折車。しかし、実際には対向側が全方向矢印信号になり、なかなかこちらは右折矢印信号が出ないため、しびれを切らして対向直進車に衝突しそうになりながら右折する車両。 ・右折車の滞留が少ないと、右折矢印信号が極端に短くなってしまい、右折矢印の点灯に気付くのが遅れて右折し損ねる車両。 ・押ボタンに気付かず、押ボタンを押さないで信号待ちをする歩行者、自転車。 この交差点では、「U/UD形伝送変換装置」の製造番号が「K0000001」となっています。 なお、ムーブメント信号制御の導入により、逆に渋滞が悪化したため、2011年12月3日をもって「上鈎」交差点を除き運用が休止されました。運用休止により、通常の信号制御(車両を青信号により進行させ、同時に歩行者も青信号)になりました。渋滞悪化の原因は、ムーブメント信号制御の導入により、右折車分離式となったため、右折車の通行時間が短くなり、右折待ち車両が右折車線からあふれ、その渋滞を感知器では右折車によるものと判断できなかったためのようです。 運用休止後、車両用灯器は「対向車分離式」標示板が撤去され、使用しない矢印にはカバーがかけられました。歩行者用灯器は、「歩車分離信号」標示板と押ボタン箱が撤去されています。 その後、車両用灯器の使用しない矢印には、灯箱と同じ色の蓋が取り付けられました。
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