特集 2000年10月号→2004年12月号
レポート Vol.1「宇都宮大通り」のその後
JR宇都宮駅から東武宇都宮駅を結び、大谷街道へアクセスする宇都宮大通り。
こういった駅前通りは宇都宮人ににとって、普段見なれているものです。しかし、信号機の設置方法がこんなに変わっているものがあるとは、気づく方も多くないでしょう。
そこで、宇都宮大通り(JR宇都宮駅〜R119池上町)の信号を取り上げて見ました。
…という特集を組んでから早や3年。この大通りの信号がオールLEDに交換されつつありまして。改めて比較の意味で特集を組んでみました。
大通りを簡単な地図に してみました。建物の 位置も非常に大雑把 です。ご参考までにどうぞ。 |
2000年に撮影した写真とオーナーの気ままなコメント (一部2004年に現存していたものを追加しました) |
2004年に撮影した写真とオーナーの気ままなコメント | |||
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JR宇都宮駅。東北新幹線/JR宇都宮線(東北本線)/JR日光線にアクセス。 | 宇都宮駅から大通りを撮りました。 | ||||
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宮の橋交差点 田川にかかる宮の橋そばにあります。 橋に合わせて青銅色のデザインアームが使われています。 |
取り付けられている日信製セパレート灯器も青銅色…じゃないですが、アームに合わせてカーキ色になっています。 この灯器は通常のグレーの灯器と同じ要領で、左右に接続されています。 |
宮の橋交差点 青銅色のデザインアームはそのまま。信号以外のデザイン街灯にエメラルド色のものがあったりします。 |
大通りのLED更新の車灯は小糸のDK2型で、全国的な小糸の主流になりつつある灯器です。 カーキ塗装は引き継がれています。 |
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↑歩行者信号には、待ち時間表示器が取りつけられています。これがあると無いとでは信号待ちのイライラが全然違います。この表示器は日本信号製です。
←デザインアームの全景。 |
↑待ち時間表示板は交換せず。 歩灯は小糸のPVL−TP形式。
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↑宮の橋から100mほど先の交差点。 こちらは押しボタン式の信号です。 栃木県の押しボタン信号は、日本の西側に多い普段黄点滅ではなく、他の信号同様青です。 |
↑信号灯器は日本信号の丸型ブツブツレンズ灯器です。 デザインアームはパイプをL字型に曲げたごく普通のチョコレート色のステーです。 |
↑宮の橋から100mほど先の押しボタン式の信号です。今回の交換後、「押ボタン式信号機」の板が追加されました。 | ここも小糸のDK2。チョコレート塗装モデル。 | ||
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↑上河原町 信号全景。 普通のグレーの灯器です。 灯器は日本信号製丸型ノーマルレンズです。 |
↑この信号のポールは低く、通常のワイヤーの設置方法では灯器を支えるのが難しい為、ワイヤーをポール側の灯器固定用の金具に一旦引っ掛けて、道路側の金具に接続しています。 | 交換後は、チョコレート色の小糸DK2型の灯器になりました。普通のアームですが。 | ポールが以前の低いものではなく、ごく一般的な高さのものに。当然ステーも普通のものに。 | ||
駅を背にして交差点の手前左側は屋根つきです。低い屋根に合わせて歩行者灯器も低い位置にあります。私ぐらいの背(176cm)なら普通に触れます。 | この灯器の底面に6箇所以上の穴が開いています。矢印がやや新しいものであることから、3灯の矢印を1灯に替えた→過去は時差式だった可能性が考えられます。 | 駅を背にして交差点の手前左側の歩行者灯器は10mほど駅側に。一方、元の灯器のポールは屋根を突き抜けていたため、その部分の屋根が修復されていました。 | 片面だった従道側の灯器が両面に。 | ||
5 | 上河原町の交差点から100m先に、速度取り締まり用オービスがありました。 このオービスはループ式です。いじられないよう厳重に有刺鉄線でガードしてあります。 一般に交通機器には小さな製造プレートがありますが、これにはついていませんでした。恐らく、内部にあるのでしょう。 オービスは大通りの池上町交差点付近にもありますが、大切なのはオービスに撮られない様、オービスがある所を覚えて減速するのではなく、どこでも制限速度を守って走りましょう。 |
交換されず。 | |||
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このオービスの30mほど先にある信号です。ここも普通のグレーの灯器です。 ここは目の不自由な方向けに、信号が青になるとピヨピヨ音が鳴る装置がついています。この装置は県下の交差点に設置されているのですが、ここ(と馬場通り1丁目・池上町)の場合は、信号の変わり目に「信号が青になりました。横断してください」のアナウンスが流れます。 感じたのは、この手の信号「盲人用信号」ではなくこの交差点の様に「声の出る信号機」の方が分かりやすく、表現がやさしいと思います。 この交差点の車灯は平成4年3月、歩灯は昭和59年5月製です。車灯が交換されたのか、歩灯が使いまわされたのかは不明です。 どう見ても車にはぶつけられないようなところなのに、歩灯に傷が付けられていました。 |
交換後は上河原の灯器と同じ、茶色の小糸のDK2/PVL。 かつてあった「声の出る信号機」は交換前から撤去され、とちぎ標準の「押しボタン式信号」の看板が付けられていました。 |
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大通り1丁目 ここは灯器もデザインアームも3番の交差点と同じ物です。 |
こちらもブツブツレンズ。プレートをチェックしたところ、昭和63年6月製でした。まだブツブツレンズが導入されて間もない頃の灯器です。
傾向からすると、馬場通り1丁目と駅側の2交差点が昭和62年に、本町と上河原以外の交差点が昭和63年にデザイン化の工事が行なわれたものと考えられます。 |
大通り1丁目 ここは灯器もデザインアームも3番の交差点と同じ物です。 |
ここも小糸のDK2。チョコレート塗装モデル。
栃木県でも矢印は2列仕様。 |
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パルコ駐車場そばの交差点:
2002年の特集時には紹介がもれてしまっていたので、交換される前に撮っておきました。 アームは同じ曲柱、灯器は日本信号の丸型レモンレンズでした。 |
曲柱アームが3本抜かれてしまい、普通のポール&アームに。アームがそんなに劣化していたのか、ていう感じです。 | なぜかここだけ日本信号の一体型LED粒。大通りが小糸で一本化されるかと思いきや、思わぬ展開でした。 | |||
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馬場通り1丁目 ここのデザイン灯器のアームは、3番の物と同じですが、灯器は日本信号製丸型レモンレンズです。この信号は時差式ですが、最近時差式の後発側を赤+全方向矢印に変更する工事が行われました。この為、矢印灯器は日信製分割灯器ベースです。 |
で、何で青黄赤灯器の下にアームが見えるのかというと、矢印灯器をつけた分地上から灯器の間が狭くなるので、この分をカバーしようと、デザインアームにつけた今までの取り付け金具にさらに金具をつけて高く灯器を取りつけて有ります。 | 馬場通り1丁目 矢印灯器は追加から4年しか経っていないのにもかかわらず勿論交換。実はこの灯器だけ同じ交差点の他の灯器より1週間程遅かったんです。 |
L字型金具の奇妙な設置はそのまま流用されています。 | ||
ここの歩行者信号のデザインアームですが、歩灯が1つ付けられていません。 信号サイクルは「スクランブル」から「歩車分離」に名前が変わっただけで、実質スクランブルと同じです。 |
PARCO側のデザイン灯器・曲柱アーム全景 | スクランブル名残のアームはそのまま。 | 「馬場通り一丁目」のこのタイプの板はここだけ。 | ||
10 | 本町交差点 ここの交差点は栃木県庁と宇都宮市役所を結ぶシンボルロードと交差します。
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ごく普通のDK2型の灯器に変更されました。 …中央接続で来ると思いきや、アームにL字アングルを取り付けて、そのアングルに、通常のアームで使うのと同じ接続金具をつける、見てくれが少し貧相なアームになりました。 県庁前の小糸Dは中央接続だったのに何で?という感じです。 |
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↑本町の灯器 |
↑比較用 県庁前の灯器 |
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ここの信号は、一見小糸の丸型灯器に見えますが、側面に平らな所が無い所からして、小糸の丸型灯器ベース(レンズ・庇を共用)のオリジナルデザイン灯器です。 | 左の灯器の裏面です。3つの丸い出っ張りがあります。裏も見せたいというデザイナーのコンセプトが伝わってきます。 ここの灯器は、灯器中央につけた金具とアームを接続する、栃木県には珍しい方式です。 |
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従道側の灯器です。この信号、昨年時差式の後発側を青ではなく、赤+全方向矢印に変更しましたが、(私の推測ですが)何らかの事情で同じ型のデザイン専用灯器ではなく、日信製セパレートの矢印灯器で対応したものと思われます。専用灯器と増設する日信製セパレートの矢印灯器が合わなかった為、デザインステーと専用灯器の接続されている(灯器の中央接続)接続部に、金具を取り付けてその金具に矢印灯器を付けていました。 | かつての専用金具は灯器とともに撤去され、アングルに取り付けた接続金具でごく普通に接続する方式に。 矢印灯器を3灯灯器にぶら下げるのではなく、上下に繋げた2つの灯器の真ん中にアームが来る設置となっています。 とちぎでは京三以外のメーカーで標準的な設置法です。 |
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こちらの歩行者信号も小糸製ベースのオリジナルデザイン灯器です。 真四角の弁当箱のようなデザインです。 |
裏面を撮りました。 ちなみに車灯・歩灯ともにアームが非常に錆びています。これは景観にマイナスだと思います。ぜひ塗りなおしてもらいたいものです。 |
これから交換される予定? | これから交換される予定? | ||
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池上町 ここは、国道119号線と接続する交差点です。 |
デザイン灯器・アーム全景。 | 池上町 ここは、国道119号線と接続する交差点です。 |
今まで左右にあった矢印が右に寄りました。 丸型ではこの設置は無理がありましたが、A/D型以降の灯器でこのような自由が利くようになりました。 |
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当時の資料・取材不足(泣) | |||||
灯器の上部に「時差式信号」の板が付きました。 栃木県では上部設置の地名板以外の板は非常に珍しく、新規設置も異例です。 |
ここにも宮の橋と同じ待ち時間表示があります。 丸型時代からのもので、このページを立ち上げる前に3倍ズームのPowerShotを三脚の先に付けて持ち上げ、セルフタイマーで撮った記憶があります。 「歩行者自転車専用」の板が歩行者灯器のアームに設置するスペースがなく、ポールに付けられています。 |
まとめ
今回の企画は私の職場の周りという事もあり、毎日通勤する時ずっと気になっていたものを是非今回、取り上げたく思い特集を組みました。こんなに身の回りに変わったものがあるのかと感心させられました。
皆さんも、自分の学校・職場の回りの道路にあるものをよく見つめてください。きっと新たな発見があるかも知れませんよ。
…と格好つけたコメント書いてから早4年。まさか大通りの灯器の更新がされるまで自分自身宇都宮に住んでいるとは思いませんでした。時間の経過は早い。そんな複雑な想いです。
完