小糸工業の歩行者用信号機のレンズの一つ「網目レンズ」。このレンズは第1期目のプラスチック製と思われるレンズの次に登場した第2期目のレンズのようである。細かい線が網目状に並んだ模様をしており、第1期目のレンズと比べると耐久性が高いようで、レンズ焼けがあまり見られない。
さて、このレンズが使用されている歩灯だが、材質は鉄とアルミのどちらなのだろうか。私は銘板表示の違いにより、鉄板製とアルミ製の二種類があるのではないかと考えている。
何人かの方からは、「これは鉄板製である。」と言われたことがある。確かに、この信号機が普及した昭和50年代は、鉄板製の信号機がほとんどであった。現にこの時期の小糸工業の車両用信号機も樹脂製か鉄板製のどちらかであり、アルミ製のものは無かったと思われる。
従って、小糸工業の歩灯だけアルミ製であるのはなぜなのか、という疑問が出てくるかもしれない。
しかし、このレンズが使われている歩灯は、鉄に生ずる茶色い錆が発生していることがあまりない気がする。従って、ただの鉄板製ではなく、アルミ、またはメッキを施した鉄板製ではないかと考えられる。
そこで私は、鉄板製とアルミ製の二種類があり、かつこれらは銘板表示が異なるのではないか、と考えた。即ち、「図1」のように銘板表示が「歩行者用交通信号灯器」と書いてあり警交仕規の無いものが鉄板製で、「図2」のように銘板表示が「金属製歩行者用交通信号灯器」と書いてあり警交仕規第30号と書かれているものがアルミ製ではないかと考えている。
アルミ製と思われる「図2」の歩灯は、途中で庇が変わった等の例外を除いて、錆が発生していることがほとんど無いように思われる。一方、鉄板製と思われる「図1」の歩灯は錆が発生していることが多いように思われる。
以上はあくまで私の推測でしかなく、数百基という数の歩灯について磁石がくっつくか否かを調べて出した信頼性の高い結論というわけではない。今後、磁石を用いて調べることを機会があればやってみたい。 |