盛岡駅と大通西口の間に位置する桜城小学校前の交差点に薄型LED歩行者用信号機が登場していた。この交差点は上部に歩道橋があり、歩行者用の横断歩道は主道側のみにある。この横断歩道の部分が登場箇所だ。
二つの横断歩道のうち、北側のほうは今回の登場以前から歩灯が設置されていたが、これは更新対象となった。車両用は、小糸工業製の鉄板製丸型灯器が主道側、従道側それぞれ2基ずつ、小糸工業製LED灯器が主道側2基となっている。
そして、南側のほうは今まで歩灯が設置されておらず、新設されたことになる。
この南側の設置箇所だが、ここを横断する歩行者にとって、主道側の車両用信号機は歩道橋に隠れ死角となってしまう。そのため、今回の歩灯登場以前は横断者にとって交通整理が行われていない状態に等しく、常に横断可能の状態だった。
だから、南側の横断歩道を突っ切る方向の従道側の車両用信号機は、たとえ主道側の信号機が赤信号となっても、青信号ではなく赤点滅による誘導だった。
「主道側の信号は赤でも、歩行者等が横断するから、一時停止し安全確認をした上で通過する」 ことを求める形となっていたわけだ。
もちろん、一時停止して通行するという赤点滅の意味は運転者はわかるだろう。しかし、この交差点では少なくとも――無意識にだと思うが――赤点滅を「青信号」の意味に解釈してしまう運転者があり、赤点滅の際に横断する歩行者にクラクションを鳴らしてしまう車も目撃したことがある。
このような問題点を含んだ交差点だったが、今回、この南側の横断歩道に歩灯が設置され、赤点滅だった信号はきちんと青信号となった。先に述べた危険な状態が回避され、従道側の車両がスムーズに通過できるよう改善がなされたことは大いに良かったと感じられる。
ただ一点、私なりの欲を言えば、どうせなら音響式歩行者誘導付加装置内臓の歩灯にすればよかったのではないかと思うのだ。
音響式歩行者誘導付加装置(以下、「誘導装置」と略す)は、ホームページのほうなどで紹介しているが、青信号になった際、「信号が青になりました」という音声案内をしてくれる装置である。
この交差点は駅と大通の間で市街地に位置し、人通りは多い。そして、交差点規模としては小さめである。まさに誘導装置を付けるのにうってつけの交差点だと思うのだ。この装置が今回設置されなかったのはもったいないと感じられた。この装置を積極的に用いている県南の一関市だったならば、多分取り付けられたのではないか。
薄型歩灯の登場が歩車共により安全に通行できる形へと改善につながったのはとても良かった。さらに一歩進み、音の面でもよりよい交通事情となることを期待したい。 |