また交通信号機の新型への更新の確認である。信号灯器の厚さがほとんどない薄型LED信号機が、写真で紹介した盛岡市高松の交差点に登場した。会社は日本信号。最近、盛岡市内に登場する薄型LED信号機は、この日本信号製が多いようだ。また、岩手県では新型の信号機に関しては、電球式は用いず薄型LED信号機に統一したのかもしれない。
設置された車両用信号機は、市内の他の箇所で確認しているものと同じく、庇の短いものが設置された。現時点の岩手県内では、庇の短いほうを中心に用いていく方向性にあるようだ。 歩行者用信号機に関しては、LED部分が粒の形がはっきり見える素子型ではなく、LEDを隙間なく敷き詰めた細かいひし形模様が並ぶレンズだった。こちらも市内の他の箇所で多く確認しているものと同じである。
この交差点には以前、車両用信号機は小糸工業製の樹脂製灯器と日本信号製の樹脂製灯器、歩行者用信号機は小糸工業製の金属製灯器がそれぞれ設置されていた。
歩行者用信号機は、小糸工業製第2期目の網目模様のレンズ使用のもので、銘板が「金属製歩行者用〜」と表記されたアルミ製と思われる機種と、銘板が「歩行者用〜」と表記された鉄板製と思われる機種とが設置されていた。鉄板製の歩行者用に関しては庇部分に錆が発生していたため、更新されそうな臭いは感じられていた。
車両用信号機は、まず日本信号製のものは三協高分子製のもので、京三製作所製などにも同型のものがある、形式「IH23」の機種だった。この機種は平成時代のものに多く、昭和期の場合は形式「VT-413」が多い。しかし、この場所のは昭和期の終わりぐらいの製造のものだった。昭和50年のいつ頃から形式が変更になったのかも気になるところだ。
また、小糸工業製の樹脂製車両用信号機は濃色で三角模様をした、西日対策用と思われる二重構造のレンズを使用した機種だった。盛岡市内で、大きさが25cmのこのレンズを使用した樹脂製灯器は、この場所でしか確認していなかっただけに、交換されてしまったのは残念に感じる。
新たな薄型LED信号機の登場は、やはり喜ばしいものである。見事な薄さで、見易さ抜群の素晴らしい信号機だと感じる。しかし、その一方で県内でも数少ない古い信号機の更新も行われているのは、仕方がないとはいえ寂しさを感じてしまうものだ。
毎度、良さを感じていた昔からあるものが消えてしまうという辛気な気分を感じる一方、新型の登場に期待感をも感じる信号機の更新である。もちろん、信号機の性能だけを考えれば新型のほうが断然良いのだが――。自らの役目を全うし姿を消した信号機は交差点集に記録として残し、新型信号機の今後の活躍に期待してみたい。 |